漆黒の黒般若
出てきてしまったもののいく場所がない
今日は隊務が休みなので稽古でもしようかと道場に向かう途中で副長に呼び止められた
「斎藤ちょっといいか?」
そのまま部屋に入ると副長が切り出す
「実はな、さっきの楠葉と総司の試合を見てて思ったんだが竹刀を振るあいつはやたらと楽しそうだった。ここにきてあんな生き生きとした楠葉を見たことはねぇ…
竹刀1つで楠葉が喜ぶなら俺はやつに竹刀くらいなら握らせてやりたいと思う
近藤さんには許可はとってあるから部屋に戻ったらあいつにこの事をいってやってほしい」
あぁ…
やっぱり
副長も気付いていたのだ
しかし鬼の副長と恐れられる彼も坂下には甘いな
ふっと笑みをこぼしながら斎藤は部屋を出ていく
早くこの事を彼女に伝えてやりたかった
坂下はこの事を聞いたら喜ぶだろうか
いや、喜ぶだろう。絶対に
彼女の笑った顔が頭に浮かぶ
笑うと口の隙間から出る八重歯が印象的な明るい笑顔がしっかりと瞼の裏に焼き付いている
早くその笑顔が見たかった
今日は隊務が休みなので稽古でもしようかと道場に向かう途中で副長に呼び止められた
「斎藤ちょっといいか?」
そのまま部屋に入ると副長が切り出す
「実はな、さっきの楠葉と総司の試合を見てて思ったんだが竹刀を振るあいつはやたらと楽しそうだった。ここにきてあんな生き生きとした楠葉を見たことはねぇ…
竹刀1つで楠葉が喜ぶなら俺はやつに竹刀くらいなら握らせてやりたいと思う
近藤さんには許可はとってあるから部屋に戻ったらあいつにこの事をいってやってほしい」
あぁ…
やっぱり
副長も気付いていたのだ
しかし鬼の副長と恐れられる彼も坂下には甘いな
ふっと笑みをこぼしながら斎藤は部屋を出ていく
早くこの事を彼女に伝えてやりたかった
坂下はこの事を聞いたら喜ぶだろうか
いや、喜ぶだろう。絶対に
彼女の笑った顔が頭に浮かぶ
笑うと口の隙間から出る八重歯が印象的な明るい笑顔がしっかりと瞼の裏に焼き付いている
早くその笑顔が見たかった