漆黒の黒般若
「なら今日はたくさん可愛がってやろう」


寂しがっているなら少しは可愛がってやらなくてはな


そう思い坂下を抱きしめる

「斎藤さん、離してください」


下から彼女の声が聞こえる

しかし今俺の腕の中で顔を赤く染める小さな彼女を離したくなかった


しばらくするとさすがに坂下も大人しくなった


しかし次の瞬間予想外の事態が起こる


ギュッ


坂下の行動に俺は驚いた


さっきまでされるがままだった坂下が手を背中に回してきた


驚いて彼女をみるとさっきと変わらずうつ向いたままだったが俺の背中に回された手はギュッと着物を握っている



そんな楠葉の行動に顔に熱が集中する


我慢できなくなって彼女から離れると自然と回されていた手も離れた


< 122 / 393 >

この作品をシェア

pagetop