漆黒の黒般若
目の前でキョトンとする坂下に今の顔をみられたくなくてつい後ろを向いてしまう



「斎藤さん?」


心配して楠葉が声をかけるがなかなか顔の熱は引いてくれない


「なんでもない、それより夕食にいくぞ」


そう言うと首をかしげる楠葉の隣を大股で通りすぎる

「あっ、斎藤さん。待ってください!」


後ろから小走りで着いてくる楠葉に距離をおきながら斎藤の長い休日は幕を下ろしたのであった


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