漆黒の黒般若
目を開けると木製の天井が広がっていた


あれは夢だったのだろうか

周りが静か過ぎて楠葉には今までの事が夢のように思えた


しかし現実は甘くなかった


ぼーっと廊下を歩いていくと何やら八木邸の方が騒がしい


楠葉もそれにつられて八木邸へと足を入れる


人だかりができているのは芹沢さんの部屋だった


楠葉に緊張が走る


少し戸惑いながら部屋を覗き込んだあたしはその場に崩れ落ちた



泣きわめくあたしを誰かが抱き抱えてその場から連れ出す


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