漆黒の黒般若
「斎藤さん、斎藤「俺はここだ」



涙で視界がぼやける


しかし目の前にいたのは紛れもない斎藤さんだった


「帰ろう、坂下。平助と新八はすまなかったな…」


「一くんっ!何処行ってたんだよ!こんな状態の楠葉をおいていくなんて…」


そう言った平助は斎藤を見てハッとした


いつも気持ちを顔に出さない彼の顔は後悔の色で歪んでいる

その表情だけで彼がどんな気持ちでいるかなんて簡単に想像がついた


「すまなかった…」


そんな彼を見て平助も永倉も何も言えなくなってしまった


楠葉を連れて出ていく斎藤は2人に軽く会釈して出ていった



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