漆黒の黒般若
「なら、俺が着物を脱がしてやろうか…?」



頭の中ではさっき呟かれた言葉がぐるぐると回転している



「そ、そんなことっ…!あ、あたしにはまだ早いですからっ!!」



真っ赤になって焦る楠葉の口調は裏返っている


そんな楠葉に近づいた斎藤は意地悪そうな笑みで言葉を続ける


「ほぅ、あんたはもう17だろ?そんなに早い話でもないと思うが…

町の娘たちはこの歳で嫁にいってもおかしくない

当然、嫁にいけばそういったものも大事な務めだ

あんたも今から花嫁修行したほうがいいんじゃないか?」


そう言って固まる楠葉にずっ、と顔を近づける


楠葉は斎藤がもつ大人の色気に沸騰寸前だ


「すっ、すみませんでしたっ!」


こうしてこの会話は楠葉の土下座で終わりを向かえた

「では、桶に水でもはるか」


「水ですかっ」


プールみたいとはしゃぐ楠葉に斎藤は桶をとりにいってくれた


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