漆黒の黒般若
「あぁ…、あ」


目の前で死んだ大切な人


儚くも散った祐の命に
楠葉の精神状態は
ズタズタだった




言葉にならないうめき声をあげると
すくっと立ち上がった



後ろを振り向けば
さっきの男が刀を構え
こちらの動きを伺っている


理性を失った楠葉は
虚ろな目で何かをぶつぶつつぶやいていた




さすがに奇妙の悪くなった男が刀を振りかざし襲いかかってきた




「はぁあーっ!」



掛け声と共に襲いかかった男は一瞬にしてその場に倒れた


悲鳴もあげずに倒れた男にもう1人はなにが起こったのか理解できない様子で戸惑を隠しきれていない




しかし、殺らなくては殺られてしまう…

そんな考えが頭をよぎりその男もまた楠葉に襲いかかっていった



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