漆黒の黒般若
「大丈夫?楠葉ちゃん」



「は、はい…」



とりあえず差し出された手に掴まって立ち上がる



「あの…、目が覚めたんですね」



「うん、さっき目が覚めてさぁ。お腹空いちゃったから台所にいこうと思って」



「だ、だめですよっ!安静にしていてください!まだ起きたばかりなんですから、とにかく布団に戻ってください」



「でも、お腹空いちゃったよ〜」



数日意識を失っていた人とは思えないような言いぐさである



「わかりました。あたしがなにか作ってきますからとにかく寝てください!」



「へぇ、楠葉ちゃんの手作りなんて喜んでもいいのかなぁ?」



「いえ、あんまり期待はしないでくださいね。じゃあすぐ戻ってきますから寝ていてくださいね!」



「うん、楽しみにしてるね〜」



こうしてあたしは再び来た廊下を戻っていった



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