漆黒の黒般若
しばらく歩くがなかなか黒般若は姿を現さない


「なかなか登場しないね、黒般若さん。」


つまらなそうに話す総司を見る限り、彼はそうとう黒般若との闘いを楽しみにしていたのだろう
巡回に出掛ける前と今ではテンションがまるで違う


「やはりただの噂だったのだな。そろそろ帰るとするか」



噂に付き合わされた挙げ句に機嫌の悪い総司はさっきから何も話そうとしない


“こやつは子童か!”


心のなかで軽くツッコミながらもいじけた総司と平隊士達をつれて元来た道を戻ろうとしたとき……




ガッシャーンッ!




「きゃぁーっ」


何かが割れる音と悲鳴が辺りに響き渡った



はっ、と気づいたときにはもう後ろでいじけていた総司は走り出していた



「くっそ…」




総司は一旦暴れだすと手がつけられない

その為、唯一彼を止められることが出来る斎藤は総司達の隊との見廻りを命じられてる




斎藤もすぐに総司の後を追った






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