漆黒の黒般若
悲鳴が聞こえたのはどうやら細い路地を曲がったところらしく総司は路地へと入っていく


「おい、総司待つんだ!」
柄にもなく叫んだのが吉と出たのか総司が突然立ち止まった



少し息をきらせながら総司の肩に手をおく



「悲鳴はどうやらこの建物かららしいよ…」



嬉しさをこらえきれない様子で話す彼の指差す方向には俺たちが探していた人物がこちらを見下ろすようにたたずんでいた




屋根にたつ彼の顔には黒い般若の面が張り付いており

着物も噂通りの黒ずくめに異国人のような格好だった

闇に紛れ、一瞬にして人々に恐怖を植え付けるその存在感は平隊士達を怯ませた






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