漆黒の黒般若
「漆黒の…黒般若……」
始めてみるその姿に斎藤は違和感を覚えた
まず彼が不審に思ったのは彼の体つきだ
線が細く、唯一見える足は雪のように白い
よくよく見ると細い首にも喉ぼとけがみあたらない
斎藤の中である考えが徐々に真実味を帯びたものとなりつつあった
「おーい、そんなところにいないでこっちに降りて来なよー」
隣で総司が黒般若に話しかける
しかし当然、総司の話しかけには応じることがなく彼は屋根を伝ってその場を去ろうとした
「おい、総司!」
「わかってるって、一くん。」
「1番隊は中の様子を見てきてやってくれ!3番隊は俺たちとやつを追う、わかったらさっさと動くんだ」
斎藤の指示に動き出す平隊士
闇に紛れるその姿に彼の追跡は難を要した
「逃がさないよー!」
必死に追いかける中総司だけはまるで鬼ごっこをしているような感覚だ
しかし黒般若はなかなかすばしっこく距離は縮まらない
すると運のいいことに彼の行く先には屋根が途絶えていた
「しめた!よし、このまま黒般若を捕まえる」
「はいっ!」
斎藤の掛け声に平隊士達は一斉に答えた
そしてついに最後の屋根を走り終えた黒般若は逃げるべく地面に降り立った
がー、しかし
降りた先にはすでに新撰組が先回りして彼を囲むか達で待機していた
「ここまでだ、黒般若。お前を新撰組へ連れていく、大人しく我々の言うことを聞くのだっ!」
「ちっ…」
観念したのか彼はその場でうつむいた
すかさず平隊士達が捕獲しようと近づいたそのとき
「うわぁ…」
黒般若が
平隊士に向けて羽織の裏に隠してあった刀を抜いた
目の前に突きつけられた刀に平隊士は悲鳴をあげ、しりもちをついた
その行動に斎藤と総司が平隊士を押し退け黒般若の目の前に飛び出す
「やっと闘える日が来ましたね。漆黒の黒般若さん…」
待ちに待ったこの闘いに総司の顔には笑顔が浮かぶ
「おい、総司。気を付けろ…手強い相手だぞ」
「わかってるって、一くん。さっさと片付けちゃうから」
黒い笑みを浮かべ刀を構えた総司は黒般若の方に向き直る
「さて、君の腕前を拝見させてもらうよ?」
そう言うと総司は彼に向かっていった
始めてみるその姿に斎藤は違和感を覚えた
まず彼が不審に思ったのは彼の体つきだ
線が細く、唯一見える足は雪のように白い
よくよく見ると細い首にも喉ぼとけがみあたらない
斎藤の中である考えが徐々に真実味を帯びたものとなりつつあった
「おーい、そんなところにいないでこっちに降りて来なよー」
隣で総司が黒般若に話しかける
しかし当然、総司の話しかけには応じることがなく彼は屋根を伝ってその場を去ろうとした
「おい、総司!」
「わかってるって、一くん。」
「1番隊は中の様子を見てきてやってくれ!3番隊は俺たちとやつを追う、わかったらさっさと動くんだ」
斎藤の指示に動き出す平隊士
闇に紛れるその姿に彼の追跡は難を要した
「逃がさないよー!」
必死に追いかける中総司だけはまるで鬼ごっこをしているような感覚だ
しかし黒般若はなかなかすばしっこく距離は縮まらない
すると運のいいことに彼の行く先には屋根が途絶えていた
「しめた!よし、このまま黒般若を捕まえる」
「はいっ!」
斎藤の掛け声に平隊士達は一斉に答えた
そしてついに最後の屋根を走り終えた黒般若は逃げるべく地面に降り立った
がー、しかし
降りた先にはすでに新撰組が先回りして彼を囲むか達で待機していた
「ここまでだ、黒般若。お前を新撰組へ連れていく、大人しく我々の言うことを聞くのだっ!」
「ちっ…」
観念したのか彼はその場でうつむいた
すかさず平隊士達が捕獲しようと近づいたそのとき
「うわぁ…」
黒般若が
平隊士に向けて羽織の裏に隠してあった刀を抜いた
目の前に突きつけられた刀に平隊士は悲鳴をあげ、しりもちをついた
その行動に斎藤と総司が平隊士を押し退け黒般若の目の前に飛び出す
「やっと闘える日が来ましたね。漆黒の黒般若さん…」
待ちに待ったこの闘いに総司の顔には笑顔が浮かぶ
「おい、総司。気を付けろ…手強い相手だぞ」
「わかってるって、一くん。さっさと片付けちゃうから」
黒い笑みを浮かべ刀を構えた総司は黒般若の方に向き直る
「さて、君の腕前を拝見させてもらうよ?」
そう言うと総司は彼に向かっていった