漆黒の黒般若
「すまぬが、坂下はいるか?」


まずは平助の部屋から訪ねた


しかし


「楠葉?来てないよ?」


次は佐之の部屋、新八の部屋、源さんの部屋を訪ねた


だが、どこの部屋にも坂下の姿はなかった


そして次に立ち寄った部屋の前で斎藤はため息をつく

「この部屋にはいてほしくないものだ…」


ガラッと障子を開けると総司が猫とじゃれていた


「どうしたの?一くん」


白い猫がこちらによってくるのがみえる


「坂下を知らないか?」

早くこの場を去りたい気持ちを押さえて平然と総司に質問する


「うーん…、楠葉ちゃんなら見てないし。来てないよ?」


「ニャー」


「わかった。邪魔したな」

バシンッ


猫が自分に触れるまであと10歩ほどだった


廊下に出た瞬間恐怖が斎藤を襲い始める


「やはり、一番の難関だ」

そう言うと斎藤はまた先を急いだ


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