漆黒の黒般若
いつしか黒般若は殺し屋として有名となっていった


毎週沢山の依頼が舞い込む

しかし、楠葉はなるべく長州の殺しの依頼をうけた


そうすることですこしでも吉田に近づくことができるかもしれないと考えていたから



しかし、なかなか吉田の手がかりはなく途方に暮れていた




ある日
ある商人から島原での殺しの依頼をうけた


相手は、長州のある人のことを殺してほしいと頼んできた


“長州”という言葉を聞いて、ピクッと反応してしまう


それに気づいたのか、依頼人が

「おやっ、お前さん、長州は好かないかね?まさか、仇でもいるのかい」


にやにやしながら聞く商人はなかなか勘がするどい



「まあな…」


普段あまり話さない楠葉も平然を装うと必死だった



「そうですか…、まぁとりあえず頼みますよ」


そう断ると、商人は母屋を出ていった






「長州か…」



思い出したくない記憶に少し顔が歪む








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