漆黒の黒般若
退院したあたしは祐と一緒に自宅へ戻った


まだ2人の気配や温もりが残っている空間に居るとまた涙が出そうだったけど祐に余計な心配をかけたくない一心でぐっとこらえた




「大丈夫か?」


祐が顔を覗き込んでくる

「うん、大丈夫大丈夫」

あははって
笑いながら答えてみたけどきっとこんな嘘笑いはバレバレだろう

それでも祐は何も言わず
あたしの頭に手を置くと
「無理すんなよ」といいながらくしゃくしゃになでた



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