漆黒の黒般若
「おはよう」
目の前でいい放たれた挨拶にかなり戸惑うあたしだったが
「お、おはようございます」
何とか挨拶をかわすことができた
しかし彼はなかなかどいてくれる気配がない
キスしそうな距離で見つめ合うこと1分…
あたしには1時間くらいに思え時間だったが突然斎藤さんが口を開いた
急なことについ身構えてしまうあたしに
「うなされていたぞ、坂下。煩くて昨日はあまり眠れなかった」
ぼそりと呟いた彼の目の下には確かにくまが微かに浮き出ている
「す、すみません!」
あわてて飛び起きようとしたのだが
目の前に斎藤がいたことを一瞬忘れてしまった楠葉の額は勢いよく斎藤の頭にぶつかった
ゴンッ
「いったぁー!」
叫ぶあたしをよそに隣でうずくまる斎藤さんは無言で額を押さえている
「あ、あの斎藤さん。大丈夫…ぢゃないですよね?」
「…。」
その日1日彼が口を聞いてくれなかったのは言うまでもない
あの会議のあと楠葉を誰の小姓にするかが話し合われた
立候補は多かったが
最終的に土方さんが抜擢したのは斎藤さんだった
「斎藤なら安心だ」
部屋が余ってなく小姓になった者は楠葉と同室にならなくてはならなかった
したがって土方さんはいろんな意味で一番安全な斎藤さんにあたしを預けたのであった
しかし、1日目からこの様子でなんとなく不安ばかりが募る楠葉である
目の前でいい放たれた挨拶にかなり戸惑うあたしだったが
「お、おはようございます」
何とか挨拶をかわすことができた
しかし彼はなかなかどいてくれる気配がない
キスしそうな距離で見つめ合うこと1分…
あたしには1時間くらいに思え時間だったが突然斎藤さんが口を開いた
急なことについ身構えてしまうあたしに
「うなされていたぞ、坂下。煩くて昨日はあまり眠れなかった」
ぼそりと呟いた彼の目の下には確かにくまが微かに浮き出ている
「す、すみません!」
あわてて飛び起きようとしたのだが
目の前に斎藤がいたことを一瞬忘れてしまった楠葉の額は勢いよく斎藤の頭にぶつかった
ゴンッ
「いったぁー!」
叫ぶあたしをよそに隣でうずくまる斎藤さんは無言で額を押さえている
「あ、あの斎藤さん。大丈夫…ぢゃないですよね?」
「…。」
その日1日彼が口を聞いてくれなかったのは言うまでもない
あの会議のあと楠葉を誰の小姓にするかが話し合われた
立候補は多かったが
最終的に土方さんが抜擢したのは斎藤さんだった
「斎藤なら安心だ」
部屋が余ってなく小姓になった者は楠葉と同室にならなくてはならなかった
したがって土方さんはいろんな意味で一番安全な斎藤さんにあたしを預けたのであった
しかし、1日目からこの様子でなんとなく不安ばかりが募る楠葉である