漆黒の黒般若
その夜

支度の整ったあたし達は芹沢さんのいる八木邸へ向かった


案内された部屋につくとあたし達は中にはいった


「失礼します。坂下です」
「おぅ、待ってたぞ。突っ立ってないでどんどん入れ」

「はい」


既に部屋には空のとっくりが何本か転がっており芹沢さんの頬は赤く色付いている


楠葉が来たことで機嫌のよくなった彼はにやにやしながらあたしの方を眺めてくる


しかし、あとから入ってきた沖田さんと斎藤さんに少し顔つきが変わった


「おい、俺が呼んだのは小娘だけだぞ。なぜお前らがいる?」


< 84 / 393 >

この作品をシェア

pagetop