幸せの記憶
今日の甥っ子の二次会で
悦子に会い、
「悪魔」な若い自分を
思い出してしまった。
悦子にもひろしにも
申し訳ない気もしていたが、
目の前で、
楽しげに昔話をしている
三人を見て
俊彦は少し
ホッとしていた。
その時、見知らぬ男性が
悦子を呼びにきた。
彼女の旦那、金子剛だ。
「悦子、こんなところにいたのか?
ひろし達、そろそろ帰りたいってさ!」
「・・・? ひろし?」
一瞬、沈黙が走った。
「ひろしって・・・?」
あっちゃんが聞いた。
「・・・息子の名前。」
悦子が答えた。
「・・・・・・・・・・」
あっちゃんは引きつったように笑った。