俺だけの花嫁
困りきって弱々しい声の真琴に男は触ろうと手を伸ばした。
野郎…っ。
男が触れる前に真琴の肩を抱いて俺の方に引き寄せた。
「彼女、俺の連れです」
低い声で相手を睨みつけた。
ギュッと真琴を守るようにしっかりと胸元に引き寄せる。
「俺の連れに何か?」
「あ…いや…別に…」
男は俺の顔を見てハッとした顔をし、ヘラヘラ笑いながら足早に消えていった。
真琴がソロっと俺を見上げる。
「えっと…」
「探した」
「あ…」
絡まれた真琴が悪い訳ではないのに、ついイラッとして声が低くなってしまった。