俺だけの花嫁
「息子は冷たいね。真琴さん、ここでの生活は不自由してないかい?」
俺のこういった態度には馴れているため、会話の矛先を真琴に向ける。
「伊織とはどうだい?仲良くしているかい?」
「あ、はい。」
「無表情で無口な子だから扱いにくいだろう?」
「いいえ。そんなことは…」
「まぁ、せっかく夫婦になったんだ。これから期待しているよ。」
相変わらず好きに言ってくれるよな。
呆れた気持ちでチラリと見る。
「ごちそうさま。」
さっさと部屋に戻ろう。親父といたって大して会話はないのだから。
真琴に気を使わせるだけだ。