俺だけの花嫁



そう思って出口に向かっていくと、親父が“あぁ”と思い出したように声をかけてきた。



「来週、春香が帰国する」



え………?


春香が…………?



親父のセリフに足が止まる。


…何で今頃。

俺が真琴と…結婚したからか?


振り返ると親父はジッと見ていた。


動揺するな、俺。

親父は俺の様子を見ている。


平常心を装い、足早にリビングを出て行った。









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