俺だけの花嫁
真琴は驚き、“挨拶してない”なんて言っている
「いいよ、別に。すぐアメリカ帰るだろうし。あの人だって…、俺が結婚したって知ってるんだからさ…。」
「う、うん…」
そう。どうせすぐにアメリカに戻るんだ。
前に戻ったときみたいにあまり顔を合わせなければいい。
話すことなんてない。
春香に…結婚を祝福されたくなんか…ないし。
…俺だって前に進まなきゃいけないんだから。
そんなことを色々思っていると、真琴が服の袖をギュッと掴んだ。
「なんだよ?」
笑いかけるとなぜかホッとしたように笑った。