俺だけの花嫁
真琴の部屋まで行き、立ち止まる。
電気は付いていないようだ。
躊躇いがちだが、声をかけてみた。
「真琴?真琴…どうかしたか?」
「…ちょっと、体調悪くて…」
小さい声で返事があった。
「大丈夫か?」
「うん。寝てれば治るから…」
そう言って黙ってしまう
真琴…?
心配になったが、俺はそこから離れた。
俺自身、春香にあんなことを言って正直、真琴の顔が見づらかった。
しかし…
この時無理にでも真琴に会えば良かったと、後に俺は後悔をすることになる。
真琴が本当は、あの時近くにいたこと、春香との話を聞かれていたことに…。
ひとり泣いていたことに気が付かなかったのだ…。