俺だけの花嫁
そして夜。
2人分の飲み物を持って部屋に戻ると、真琴が部屋の前でジッとしていた 。
その目は部屋に入るのを躊躇っているようだった
…なんで何時ものように入らない?もう通いなれてるだろうに。
「入らないの?」
気にはなったが、その気持ちは出さず、普通に声をかける。驚いたのか、ビクッと肩を震わせて振り返った。
「驚かさないでよ。」
「だって動かないから」
そう言って部屋を開ける。しかし直ぐに入ろうとはしなかった。
「入んないの?」
「あ…うん。入るよ…」
あ…また、目を逸らした
ぎこちなく何時もの場所に座る。俺はあえて真琴の真横に座った。
お互いの肩が触れそうなくらい近い。