俺だけの花嫁



なるべく苛立たないよう、落ち着いて言った。


しかし真琴は俯いたままだ。

唇をキュッと結んで。



何で?何があったんだ?

真琴の様子に胸がざわつく。

ここ数日、何か変だった

俺のせいだとはわかっているのだけれど…。



「真琴?」

「伊織…」

「ん?」



真琴は何かを決めたかのように顔を上げて、真っ直ぐ俺を見つめてきた。
真琴…?




「キス…して…?」








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