俺だけの花嫁
数日後、春香が帰ってきた。
「なんで真琴さんを迎えに行ってないの!」
開口一番それかよ。
呆れて机に頬杖をつく。チラッと見たが親父は帰ってないようだった。
「春香、話がある」
「何!?」
身体に障るのではないかというくらいに興奮した春香。
珍しい。
真琴を気に入っているのだな。
「…あの日、真琴は見てたんだ。俺達のこと」
「えっ!?そんな…」
「だから出て行った。」
春香は驚いたまま口を開かない。
「あの日、俺が春香に言ったことは本心だ。…俺は春香が好きだったよ」
「伊織…」