俺だけの花嫁
「真琴…話がしたい」
黙ったままの真琴にそう言った。
明らかに俺に対して戸惑った表情を見せる。
そんな顔するなよ。
「すみません、彼女と話がしたいのですが。」
視界にチラチラ入る男に穏やかに言った。
穏やかにしかし、言外に邪魔だという意味を込めて。
「あ、はい。帰ります。まこちゃんまたね」
「はい。送ってくれてありがとう…」
自転車に乗って去っていく男を横目で見る。
俺…こんなにも嫉妬深かったっけか。