俺だけの花嫁
真琴を見つめると、目を逸らして俯いた。
「っ…どうして…ここが…?」
掠れた小さな声で聞いてきた。
「薫が教えてくれた。」
この前、久しぶりに学校へ行くと薫が真琴に会いに行ったと教えてくれた。その時住所も教えてくれたのだ。
「でも本当はとっくに分かってたんだけど。」
わかっていた。会いに来なかっただけで。
真琴はパッと背を向けた
「何で来たの?離婚届けは届いたと思うけど?」
「ああ…、届いた。」
「じゃぁ何?正式に離婚したって報告にでも来たの?」
「…真琴と話がしたくて来たんだ」
話がしたい。
話を聞いてほしい。