俺だけの花嫁
スッと息を吸って気持ちを整える。
そしてハッキリとした声で言った。
「思い出すのは真琴のことばかりなんだ。」
「え…?」
不安げな顔が驚きへと変わる。真琴の予想とは違う答えだったようだ。
そんな真琴に優しく微笑む。
真琴…俺を信じて…。
「考えても考えても、真琴ばかり浮かぶ。どうして悲しませてしまったんだろう…、どうして大切にしてあげなかったんだろう…どうして…」
ゆっくり息を整え、言った。
「好きだって言わなかったんだろう…って。」
「っ…」
真琴の瞳が大きく見開かれる。
「でもすぐに迎えに行って気持ちを伝えても真琴はきっと信じてくれないと思った。無理に俺がそう言っているって思うだろう…って。」
「っ…ふっ…」