俺だけの花嫁
「あんたにあんな可愛い親戚いたっけ?」
夏目は探るように見てくる。
俺はその目線を外し、「世話かけたな」と一言声をかけ、教室へ戻った。
午後の授業開始前に真琴が戻ってきた。
足には大きめの絆創膏が貼られていた。
「どうしたの?それ」
何気なく真琴に聞いてみた。真琴は一瞬焦ったような表情を見せた後、笑顔で「あ、うん。ちょっと…ね」とごまかした。
「ふぅん…」
言いにくいのだろうか。
俺のせいで絡まれて怪我したと怒ってもいいのに。