俺だけの花嫁
真琴が昼休みの事を俺に言おうとはしなかった。
だから俺もあえて夏目から聞いていたことは言わなかった。
そもそもあったことを俺に知られたくないのかもしれないし。
でも…。
真琴の顔をチラッと見る
俺のせいでまた怪我はさせたくない。
「何かあったら俺に言っていいから。」
ボソッと呟いた俺の言葉が聞こえなかったのか?
真琴はキョトンとした顔をしている。
不思議そうに俺を見つめていた。
二度は言わない。
自分で言ってて気恥ずかしくなる。そんな気持ちを知られたくなくて、黙って前を向いた。
真琴も空耳と思ったのだろう。大して気にせずに俺から目をそらして前を向いていたのだった。