俺だけの花嫁



真琴が昼休みの事を俺に言おうとはしなかった。

だから俺もあえて夏目から聞いていたことは言わなかった。


そもそもあったことを俺に知られたくないのかもしれないし。



でも…。


真琴の顔をチラッと見る


俺のせいでまた怪我はさせたくない。



「何かあったら俺に言っていいから。」



ボソッと呟いた俺の言葉が聞こえなかったのか?
真琴はキョトンとした顔をしている。


不思議そうに俺を見つめていた。


二度は言わない。


自分で言ってて気恥ずかしくなる。そんな気持ちを知られたくなくて、黙って前を向いた。


真琴も空耳と思ったのだろう。大して気にせずに俺から目をそらして前を向いていたのだった。











< 53 / 244 >

この作品をシェア

pagetop