俺だけの花嫁


「見なくていいから」

「なんで?」



なんでって…。

俺が顔を背けたまま黙っていると、真琴がなぜか沈んだ声で言った。



「あ~…、ごめん。見られたくなかったよね…」


その声に真琴をチラッと見る。
なぜ、落ち込むんだ?



「違くて…」



俺が否定すると真琴は、え?と顔をあげた。



「…笑顔とか…なんか恥ずかしいから」



ボソッと呟く。
真琴は目をまん丸にして俺を見てくる。

見るなよ…。



< 63 / 244 >

この作品をシェア

pagetop