俺だけの花嫁



「身内だって言ってるだろ」



嘘ではない。

“妻”だって身内には変わりないのだから。

まぁ、ただの屁理屈だけど。


肇は怪しむ視線を俺に向けながら、“ふぅん”と呟いた。



「じゃぁさ、真琴ちゃん、俺と付き合わない?」


人懐っこい笑顔を真琴に向けて肇はそう言った。


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