俺だけの花嫁
「生徒会がお前の力を借りたいって、呼びにきているぞ。」
「またか…」
生徒会はちょくちょく俺を頼ってくる。
“雨宮伊織の意見を聞かせて欲しい”
“生徒から人気のある雨宮の案なら、みんなも納得する”
とか言って、いつも困った時は人を頼ってくるんだ。
俺は生徒会なんて入った覚えはないし、正直、知ったことではないんだけれど。
「断ってこようか?」
ウンザリした俺を見て、肇がそう言った。
「いい。行くよ。」
肇の肩を叩く。
今はまだ学校にいたほうが楽だ。
また部屋に積まれたお見合い写真と格闘するよりはまだいい。