俺だけの花嫁
「伊織様。よろしいですか?」
「あぁ…、ハイ。」
返事をすると風間さんが“失礼します”と部屋に入ってきた。
風間さんは真っ直ぐ俺を見つめてきた。
何だ…?
「どうかしましたか?」
ソッと声をかけた。
風間さんはゆっくりと口を開いた。
「真琴様と何かありましたか?」
「え…?何かって?」
「廊下でお会いした真琴様の表情が暗かったものですから。」
どうやら部屋を出て行った真琴とバッタリ会い、様子がおかしかったから気になったようだった。