俺だけの花嫁
ある日。
「雨宮ー」
五限目が自習時間になり、課題のプリントを終えクラスメートたちと談笑していた時、窓際にいた薫が大声で俺を呼んだ。
「何?」
薫の隣には真琴もいる。
真琴の手にはカードが握られていた。
薫の話では、今度、薫の家の会社が20周年パーティーをするので真琴も呼びたいとのことだった。
薫の家って宝石商だっけ?
「パーティーねぇ…」
一応、俺に許可を取るってことなのかな。
しかし真琴はパーティーとか初めてだよな?
ひとりで行かせて大丈夫か?
そんな心配がよぎる。
しかし友達の薫の誘いには乗りたいだろう。
「ダメかな…?」
真琴が上目遣いで俺を見る。まぁ、机の横に俺が立っているのだから当然なんだが…。