この手でキミを温めさせて【短編】
「きゃ……っ!!」



後ろから短い悲鳴が聞こえて振り返ると、コースの端で転んでいるマミちゃんが見えた。


あーぁ、またコケちゃったのか。



「大丈夫かー?」



そんなとこも可愛いな、なんて呑気に思いながら傍まで行くと、すぐ様子がおかしいことに気付いた。


足を押さえたまま立ち上がれないでいる。



「どうした?足が痛いのか?」


「あ…ちょっとだけ…。もう〜ほんとドジですね!」



あははっと笑ってみせるマミちゃんだが、無理に立とうとして『痛っ…!』と顔を歪めた。


恐らく足を捻ったんだろう。


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