この手でキミを温めさせて【短編】
俺がマミちゃんをおんぶして降りることは出来るけど、そうなると板を置いていかなきゃいけないし。


誰かに助けを呼びたいところだけど、こういう時に限って何故誰も通らない!?


うーん…待つしかないか。



「どうしましょ……」



不安そうに縮こまっているマミちゃんに、俺は笑顔で明るく応える。



「リフトさえ止まらなければ誰か来るよ。そこまで雪が凄いわけでもないし、心配しなくても大丈夫」


「冬瑚先輩……」


「俺はこういうの慣れてるしさ。もう少しだけ一緒に待ってような」



少しでも安心させたくて優しく声を掛けると、マミちゃんも少しホッとした笑みを浮かべてこくりと頷いた。


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