この手でキミを温めさせて【短編】
彼女のことを呼び捨てで呼んでいるヤツは、俺の知っている限りではいないはずだ。


なんつー優越感!



…あ、そういえばさっきサクエリちゃんにも言われたんだっけ。


同じことを言われたのに、こんなにも気分が違うとはな。



「達矢さんって冬瑚先輩の従兄なんですね」


俺が小さな幸福感に浸っていると、マミちゃんが突然そう言ってきた。



「あぁ、そうそう。タツ兄も本当にスノボが好きでさ。それに影響されて俺もハマっちまったんだ」



タツ兄との思い出話や、教えてもらったことを話すとマミちゃん…
いや、マミは、これまた楽しそうに聞いてくれていた。


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