この手でキミを温めさせて【短編】
「いいから早く滑りに行ってこい。午後は天気が荒れるって言ってたぞ」


「あー、だな」



タツ兄が指差すゲレンデを見やると、今は晴れ間も見えているが山の向こうは雲行きが怪しそうだ。


リフト券を無駄にしないように、滑れるうちに滑っとかないとな。



そして、ちょうど準備を終えたみんながぞろぞろと姿を現す。

今日泊まるのはこのタツ兄のペンションなのだ。



「よし、じゃあちょっくら行ってくるわ!」


「おぅ。気をつけろよ」



タツ兄に見送られながら、俺はみんなを誘導しつつゲレンデに向かった。



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