*硝子*【短】
『はい、もしもし?』

「あぁっあの!」

『・・・・?』

「倖が御神さんに来て欲しいと・・・」

『あ、はい了解ですっ』


その声は少し笑っている
ような感じにも聞こえた。


『三咲さん今、何所ですか?』

「え、病院の外ですけど・・・」

『ちょっとそこで
待っててくれますか?』

え、何で・・・?

内心そう思ったが、
聞けず仕舞いだった。

「分かりました・・・」


*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*

15分くらい立った頃だろうか。

向こうから汗だくで走ってくる
御神さんの姿。

季節は初夏くらい。

走れば汗が噴出す。


「はぁ、はぁ、どうもっ!」

走ってきたにも関わらず、
元気に挨拶を交わす。


「だ、大丈夫ですか・・・?」

少し心配になったので
聞いてみると

「大丈夫・・・かな・・・?」

と、半笑いでそう言った。


「と、とにかく中へ・・・」

その時、私は手首を誰かに
掴まれて後ろを向いている状態。


「・・・・っ!?」

「待って─・・・」


御神さんだった。

いつに無く真剣な表情
の御神さん。


・・・一体、何・・・?
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