*硝子*【短】
私が旦那と別れた理由。

それは、私にも
問題があった・・・。


私は今もその「過去」を、
「私」を責め続けている。

*=*=*=*=*=*=*=*=*=*

─5年前─

私達は、結婚をしてから
倖を産んだんじゃない。

付き合っている時に、
倖が出来た。
そして後に、
結婚する事にした。

彼は結婚なんてする気、
更々無かった。


彼にとって私は
ただの遊び。

両親はそんな人との結婚は
大反対だった。


『宝っ駄目ッたら駄目!』

『そんな男と結婚なんてしたら
貴方が幸せにあれないのよ!?』


母親は怒鳴りつけて叱った。

“幸せになれない”
そんな事は判っていた。

でも、私は彼が好きだった。

“あんな男”が好きだった・・・。


『ねえお父さん、お母さんに
何か言ってよっ!?』

私は父にそう願った。

だが─・・・


『私もその結婚には反対だ』

そうとだけ言って去って行った。


でも私は結婚が諦め切れなかった。

『駆け落ちしましょっ!?』
『何処か遠くに逃げるのっ』

私は彼にそう言った。

彼は面倒くさそうに、
『あぁ・・・』

と、だけ言った。


私達は本当に駆け落ちを
して、結婚した。

倖をお腹に宿したまま・・・。
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