君が隣にいれば (短編)
「美雨ちゃん、これ借りてもいい?」


そんな甘え上手な晴乃は、高校生になった今も、時々こうやって子犬のような目で私を見上げる。

晴乃が手にしてるのはこの前買ったばかりのワンピ。

実は結構高かったから、気後れしちゃって、まだ私も着てないんだよね。

「うーん…。
いいよ」

私が言うと晴乃の顔はパアッと明るくなる。

本当に晴乃の名前って、彼女をよく表してると思う。

もともと整った顔立ちな上に、笑顔がお日様みたいにキラキラ輝いてて、我が妹ながら見とれちゃう。

「やった。
美雨ちゃん大好き」

晴乃はそう言って私を抱きしめる。

途端にふわっとした甘い香りに包まれる。

うーん。
やっぱり晴乃って女子力が高い。

私が男の子だったら、やっぱりこういう子を好きになると思う。


かわいい晴乃は、私の自慢の妹なんだ。
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