恋心
LOVE 1 家庭教師
「ここをこうして…これをこうやると…ほら、答えが出るだろ?」
「わぁ~、本当だ!!」
「今の説明で分かった?」
「うん!先生の教え方、学校の先生より分かりやすい。」
「そうか。それなら、良かった。…じゃあ、今日はここまでにしようか?」
「えー!!まだ、先生と一緒に居たい!」
「はぁ~。全くお前は…小学生のガキか。」
先生にコツンと軽く叩かれた。
「痛っ!!」
「大人をからかう余裕があるなら、次の模試で良い点とれよ。」
「むーっ!!」
からかったんじゃなくて、本気で言ったのに。
そんなことにも気付かない先生はポンッと私の頭に手を置いた。
「じゃ、勉強頑張れよ!!また明日くるからな。」
「……はぁい。」
私が拗ねて俯いたまま返事をすると、先生は鼻で笑って部屋から出て行った。
『また明日な。』
そう笑顔で言い残して。