恋心
LOVE 1 家庭教師


「ここをこうして…これをこうやると…ほら、答えが出るだろ?」



「わぁ~、本当だ!!」



「今の説明で分かった?」



「うん!先生の教え方、学校の先生より分かりやすい。」



「そうか。それなら、良かった。…じゃあ、今日はここまでにしようか?」


「えー!!まだ、先生と一緒に居たい!」


「はぁ~。全くお前は…小学生のガキか。」


先生にコツンと軽く叩かれた。


「痛っ!!」


「大人をからかう余裕があるなら、次の模試で良い点とれよ。」


「むーっ!!」


からかったんじゃなくて、本気で言ったのに。


そんなことにも気付かない先生はポンッと私の頭に手を置いた。


「じゃ、勉強頑張れよ!!また明日くるからな。」


「……はぁい。」


私が拗ねて俯いたまま返事をすると、先生は鼻で笑って部屋から出て行った。


『また明日な。』


そう笑顔で言い残して。
< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop