恋心
私の名前は藍沢奈々。
高校生3年生で、受験生だ。
そして、さっきまでこの部屋にいた“先生”こと、広瀬健(ひろせ たける)は大学2年生で、私の家庭教師をしてくれている。
「はぁ…。勉強しないと。」
大学入試まであと3ヶ月。
受験勉強も大詰めだ。
だから、最近先生は毎日のように来てくれる。
本当は週三回という契約だったのだけれど、入試が近づくにつれて先生は頻繁に来てくれるようになったのだ。
それも、自ら進んで。
先生は私のためだって言ってるけど…
多分違う。
伸びの悪い私の成績を上げようと先生も必死なんだ。
私の成績=先生の業績だしね。
先生的に、私の成績を上げて親の信頼を得たいのだろう。