恋心
プルルルッ
プルルルッ
ピッ
「もしもし。」
「……。」
電話越しに聞こえる先生の声。
そういえば、先生と電話するの、初めてかも?
なんだか、変なかんじ…。
「もしもし?聞こえてるのか?」
「…あっ、もしもし。先生?どうしたんですか?さっきの電話。」
「…あ、あぁ。さっき教えた数学の問題のことなんだけど…。」
「えっ?」
先生もそのことで私に電話したの?
「お前、ちゃんと理解してないみたいだったから。気になって電話してみたんだ。」
「……!」
嘘っ…。
どうして、先生がそんなこと分かったの?
だって、私はあの時、“分からない”なんて一言も言わなかったのに。
「おーい?聞いてるか?」
「へっ?」
「へっ?じゃないだろ。あれと似た問題解いてみたか?」
「あっ、うん。さっき解いてみたんだけど…それが…。」
「途中で分からなくなったのか?」
ゔっ…
鋭いな。
「…はい。」
「…そうか。で、問題は?」
「えっ?」
「だから、問題!!教えてやるから、その問題読んで。」
「あっ、はい!!」
―それから、30分。
先生はその問題を丁寧に教えてくれた。