その告白、信じますか?
「あ、すみません。コーヒーひとつ。」
航太くんは、先ほどの女の子を呼び止めて注文した。
私に向けたのと同じ微笑みを浮かべ、かしこまりました、とお辞儀をして去っていく。
「俺がいるの見て、びっくりして、オムライス飲み込んで、むせた‥と。」
こくりと頷くと、オムライスを口に運ぶ。
「俺のせいってわけ?」
航太くんは苦笑しながら、グラスの水を一口飲む。
「そういうわけじゃないけど‥
まさかこんなとこにいるとは思わないから、びっくりして‥」
ごにょごにょと続けて、また一口オムライスを食べた。
「びっくりしたのはこっちだって。」
グラスをテーブルに置き、
「なんかやたらと真っ赤な顔して咳き込んでるやつがいるなーと思ったら、
中川さんだし」
その時の私を思い出したのか、くくっと声を押し殺して笑った。
「もうあんまり言わないで。
恥ずかしかったんだから!」
むっとしながら私もグラスの水を飲んだ。