その告白、信じますか?
それにしても、どうしてこんな所にいたのだろう。
「もしかして航太くん、この駅に住んでるの?」
だとしたら、昨日降りてきてくれたのも頷ける。
航太くんはちらりと私を見た。
「駅に人は住んでないだろ。」
頬杖をつき、視線を窓の方へ逸らした。
「え、いや、そういう意味じゃなくて‥」
言いかけた時、
「お待たせいたしました。」
私たちの間にコーヒーが差し出された。
香ばしいかおりが立ちこめる。
「ご注文は以上でお揃いですか?」
「あ‥はい。」
彼女はにっこり微笑み、颯爽と去っていった。
・・・また馬鹿にされた。
上目遣いで航太くんを睨みながら、無言でまたオムライスを食べはじめた。
航太くんはいつの間にか携帯をいじっている。
なんなんだ、この人は。
行き場のない苛立ちを押さえながら、
携帯をテーブルに置き、コーヒーを飲む、一連の動きを見ていた。
「人を見つめるの、癖?」
「え?」
突然訊ねられて、はっと我にかえった。
「昨日も電車で見つめてたし‥
あ、あれは睨んでたか。」