その告白、信じますか?
「いえ、別に見つめてないですけど。」
睨んでたのは確かですけど。
心の中で付け足して、水を飲んだ。
「ふーん。」
特に興味無さげな様子で、優雅にコーヒーを飲んでいる。
なんかいちいち腹立つなぁ、この人!
昨日ちょっとでも良い人かも、と思った自分を後悔する。
急に携帯の着信音が響き、びくっとした。
「悪ぃ、電話。」
「‥どうぞ。」
通話をうながして、私はオムライスに集中しなおした。
ふと見えたスマホの画面。
『着信 理沙』
‥なんだ、彼女いるじゃん。
昨日の告白が間違いなくからかわれただけだとわかり、
私はふっと苦笑した。
「え?今?
駅前の喫茶店でコーヒー飲んでる。」
携帯から女の子の怒ったような声が漏れている。
「わーかったって。ちゃんと行くから。
コーヒー飲み終わったらな。」
明らかにまだ向こうは何かを言っているのに、一方的に通話を終えた。
「‥いいの?」
「いーの。」
携帯をコトンとテーブルに置き、何事もなかったかのようにコーヒーを飲み始めた。
彼女怒ってたけど。
まぁ本人がいいと言うなら、これ以上は何も言うまい。
私は黙って残りのオムライスを口にした。