その告白、信じますか?
ちょうど準備も終わり、出た洗い物やごみ捨てを済ませた頃、徹平と琢磨がやって来た。
「お邪魔ー!」
琢磨がテンション高く入ってくる。
その後ろから徹平。
結婚式からまだひとつきも経っていないのに、なんだかすごく久しぶりに感じる。
靴を脱ぎ、スリッパをはく。
私の好きな筋ばった手。
・・・ドキドキする。
徹平がそこにいる、というだけで、体温が上がった気がする。
顔、赤くないかな。
頬に手を当てて深呼吸をする。
「これ、綾好きだったよな?」
徹平から紙袋を手渡された。
「後で食べようと思って買ってきた。」
にこりと微笑む徹平に、一気に心拍数が上がる。
紙袋の中身は見なくてもわかる。
大学の頃、徹平の家の近くにできたケーキ屋さん。
そこのシュークリームがたまらなく好きで、よく買ってきてもらっていた。
「覚えてくれてたんだ‥」
私の言葉に、徹平が笑った。
「そりゃ覚えてるよ。」
「‥何回も買ってきてもらったもんね。」
ふふ、と笑って紙袋の中をのぞいた。
甘い香りがこぼれてくる。
「あやー!
火つけていー?」
琢磨の声がして、私は慌ててシュークリームの箱を冷蔵庫に入れた。
テーブルを囲んで鍋に材料を入れる。
「なんで先にお肉入れちゃうかなぁ!」
「俺は肉が食いたいんだよ!」
「火が通りすぎて固くなるでしょ!バカ!」
みちると琢磨が向かいの席で、材料を入れる順番でもめている。
徹平が苦笑しているのを、私はこっそり見つめていた。
どうしよう。
私・・・やっぱり徹平が好き。