その告白、信じますか?


一瞬の静寂。


琢磨もさっきまでの陽気なノリはどこへやら。

シュークリーム片手に固まっている。



凍りついた空気の中、着信音が響いた。


「あ、私!」



キッチンに置いたままだったことを思い出し、慌てて携帯を取りに行く。


「誰だろ?」


携帯を手にした瞬間、固まった。



『着信 高瀬航太』



ランプが光り、ディスプレイに何度も航太くんの名前が表示される。


「電話だろ?出ないの?」


テーブルの方から徹平の声がして、

「いいの。」

私は答えた。


数秒後、音楽がやみ、携帯の画面が暗くなった。



ごめん、航太くん。




航太くんの名前をみた時、さっきの徹平の言葉がフラッシュバックした。


またあの話題に戻りたくない。


今は、航太くんから電話があったことは秘密にしたかった。



すぐにまた着信音が鳴り、今度はメールがきた。


『今忙しい?』


たった5文字。


なんて返そう‥。


忙しいといえば忙しい。

でも後日、琢磨か徹平から、飲み会をしてたことがバレるかも知れない。

そしたら電話を無視したことも気づかれちゃう‥。





携帯を握りしめたまま考え込んでいると、私の手から携帯が奪われた。


「っ!?」


「『今忙しい?』
‥これ、誰からのメール~?」


みちるの頬が赤い。

これは完全に酔っ払っている証拠だ。


「し~!黙ってて!」

人差し指を口にあて、必死にアピールする。


が、その甲斐もなく、みちるの口から、最も言われたくない言葉が放たれた。


「高瀬航太‥
航太くんから?」


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